ソースは俺の妄想!!ブログ

百合やプリキュアやその他について。Podcast「ソースは俺の妄想!!」の補足など。

自分の好きなモノを他人に勧めるのは難しいよね、という話。

 

 昔、自分の好きだったバンドのCDをタダで友達に配ったことがあります。ネットも何も普及してませんでしたからね。地道にやるしかなかったんですよ。こんにちは。ズゴックです。好きな言葉は「心身ともに露出狂」です。

 

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布教を如何にして行うか。それが問題だ。

 皆さん、自分の好きな作品を他人に勧める時はどうやっていますか?無理矢理押し付けますか?しつこく勧誘しますか?罠を張ってかかるのを待ちますか?いずれにせよ、あまり上手くいった試しはないのでは?難しいものですね。

 私にとって「自分の好きなモノを他人に勧める」というテーマは、対象こそ、その都度変われど、ライフワークとして取り組んできたと言って過言ではありません。20数年の歳月を経て得た結論は以下の3つです。

(1)料理を相手の口に無理矢理入れてはならないということ。

 ここに美味しい料理があります。あの人にもこの味を知って欲しい!さて、どうしましょう。そうだ、あいつの口をこじ開けて、器具で固定して、この料理を流し込もう!さぁ、食え!美味しいだろう!食え!食え!

 …多分、好きにはなってくれません。

 休日の朝にやってきた宗教勧誘。忙しく家事をこなしている時に訪れた新聞勧誘。

「よし、入信しよう!」

「よし、新聞取ろう!」

 そう思ったことが一度でもありますか?だが、これと同じことを人はやりがちです。それはヘイトを撒き散らすだけです。相手との信頼関係がきっちりと出来上がっている仲なら、強引さも時には有効ですが、不特定多数の人に作品の良さを伝えるにあたって無理強いは禁物です。

 料理は用意しなくてもいいです。まずは信頼を得ましょう。信頼を得たら、あなたが如何にその料理を好きか、具体的にどんな味がして他の似たようなものとどう違うのか。とうとうと語りましょう。相手が興味を示してきても、あなたが料理を食べさせてあげる必要はありません。自分で食べてみせましょう。食べてる様子を見せましょう。完食して結構です。相手が涎を垂らしていたら最後に一言、「食べる?」と聞きましょう。それで十分です。

(2)崖っぷちに立ってる人を突き落とすのは簡単なこと。

 私から質問です。

 街にいる人を森の奥まで連れて行って、沼の側まで誘導し、突き落とすのと、沼の際に今まさに立っている人を突き落とすのはどっちが簡単でしょうか。

 

 

 後者に決まっていますね。そうです。

 たとえば普段、マンガを読まない人に「とても素晴らしい百合マンガがあるので読んでみてください!」と勧めても、「(百合…?花…?植物のマンガ…?)」と思われます。まず「百合が何か」から説明しなくてはなりません。そこから、なんです。

  ですが、同じ百合好きのコミュニティに属している仲間に「Aさん、B先生の作品好きだったよね?最近デビューしたC先生って人が居るんだけれど、B先生の雰囲気に近いから気にいると思うよ。」と勧めたら……、いや、逆に勧められた時のことを想像してみてください。気になるでしょう。「(読むかどうかは別として、名前は覚えておこう…)」ぐらいに一瞬でなるでしょう。

 

 意外と落とし穴なんですが、「同好の士に勧める」。これは効果的なんです。

 

 「同じジャンル(作家)が好きだから、Aさんも当然、あの作品は読んでるよね…。」というのは思い込みです。 案外、読んでいない人も多い。だからこそ勧めるべきです。元々ハードルが低い相手だから尚のことやりやすい。

 あるアンケート*1では、プリオタ*2のおよそ7割強が「まだ見ていないシリーズがある」と回答しています。裏を返せば、プリオタを自称しているのに、その何割かはスイートプリキュア♪と響奏ケンカップルの素晴らしさに気が付いていないということになります。由々しき事態です。「映画スイートプリキュア♪は、劇場版ではなく激情版。もとい、ひびかな結婚式。」であるということを教育する余地がまだまだあるということです。腕がなりますね。

(3)時には遠回りも必要だということ。

 メディアの力は絶大です。

 インターネットなしには成り立たない世界になりましたが、未だにテレビ(特に地上波)の影響は大きい。時間とチャンネルさえ間違わなければ、視聴者にタダ(広告付き)でコンテンツを提供してくれるのだから。そりゃ見る人は多い。

 私はかつて某作家さんの新作を応援すべく、はてなダイアリーを立ち上げ、ねとらじで1年半もの間、毎週のように応援を続けておりました。そうすることで、かつての自分がそうであったように、 この作家を知らない誰かが興味を持ってくれることを夢見ていました。

 でもそういうやり方って、決して無駄ではないのですが、結局、”ファン同士の集い”になりがちなんですね。それはそれで良いんだけれど。新規ファンの獲得にはなかなか結びつかない。私の目的と、達成された結果は明らかに食い違っていました。

 ところがある時、はてなダイアリーのアクセスが二桁跳ね上がりました。

 一体どうしたのか?ついに私の行動が実を結んだのか?違いました。アニメ化の報が出て、検索で来た人が増えただけでしたw 私が個人でやってきた応援を吹き飛ばす勢いで、メディアは先生の新規ファンを倍々に増やしていきました。ファンとしては喜ぶべき場面かもしれません。私はそのような経緯があったので、己の無力さに只々打ちひしがれていました。無念。

 そこから学んだのです。下手に背伸びをせずに、出版社やアニメスタジオという”大きな力を動かすべく”、いちファンの身の丈に合った最大限の応援をするのが一番だと。アンケート出すとか、ファンレター送るとか、単行本めっちゃ買うとか。もちろんこんな風にブログ書いたり、同人誌を作ったり、pixivにファンアートを上げたり、PodcastをやってみたりTwitterで褒め称えたりするのも大事ですよ。大事ですけれど、全て自分でなんとかしようとするのではなく、大きな者の力を借りることが出来ないか、頭を使ってみましょう。

おわりに

 私は、最終的に”自分と同じくらい熱心な分身”をそのジャンルに2人以上作ることが出来れば万々歳だと思っています。自分がそこに来た時よりそのジャンルを発展させた証だからです。それが出来たら、いつでも安心してそのジャンルから身を引けるでしょう。

 でも、結局ずっと好きなんですけどね。